眼瞼痙攣に対するボツリヌス療法
「眼瞼けいれん」とは
何らかの原因で神経が障害され、脳から正しい指令が伝わらず、自分の意思に関係なく、両目まわりの筋肉がけいれんする病気です。
初期には瞼の周りがピクピクする・まばたきの増加・まぶしさを感じたりします。病状が進行すると、まばたきがうまくできず、まぶたを閉じている方が楽になります。
自覚症状はドライアイと似ていますので、ドライアイの治療で効果がなければ、この病気も疑いましょう。
眼瞼けいれんは、放っておいて自然に治る病気ではありません。
眼瞼けいれんの症状の進行はゆっくりしていますが、そのまま放っておいて自然に治る病気ではありません。
症状が進行すると、けいれんの回数が増し、まぶたが開かなくなったり、目が見えなくなることもあります。専門医と十分に相談して、自分に合った適切な治療法を選びましょう。
主な症状
ボツリヌス療法
ボツリヌス療法では、ボツリヌス菌がつくり出すA型ボツリヌストキシン(天然のタンパク質)を有効成分とするお薬を、筋肉に注射することによって、けいれんなどの原因となっている神経の働きを抑え、筋肉の緊張をやわらげ、症状を改善します。
このお薬は、日本でも1997年以降、眼瞼けいれん、片側顔面けいれん、脳卒中後の手足の筋肉のつっぱり、ワキの汗などの治療に広く用いられています。
健康保険適用
ボツリヌス療法の効果
ボツリヌス療法によって、70%以上の眼瞼けいれん・片側顔面けいれんの患者さんで症状の改善が得られるとされています。
治療の効果には個人差がありますので、1回の注射で症状が改善してしまう方もいれば、定期的に再投与を必要とされる方もいます。
- 効果は2、3日~2週間で現れます。
- 効果は通常3~4ヶ月間持続します。
- 時間が経つにつれて徐々に効果は消失してきます。(効果や持続性には個人差があります)
- お薬を再投与することにより、同様の効果が現れます。
- ごくまれに、治療を続けていくうちに体内で抗体が作られ、効果が減弱することがあります。
副作用
注射後の副作用の多くは一時的なもので、お薬の効果の消失とともに消失しますが、これらの症状がみられたら、医師にご相談ください。
- 目の周囲に皮下出血が出た
- まぶたが閉じにくくなった
- 目が乾いたように感じる
- まぶたが下がった
- 物が二重に見える など